GETTING STARTED

Claude Codeで
ウェブサイトを作る

開発が初めての方が、環境づくりから公開・運用までを一通り通すための手順書です。
複数ページのサイト(会社サイト・サービスサイト)を作る前提で書いています。

主催:一般社団法人デジタル経営革新協会

合宿の配布資料

2026年7月に開催した「AIサービス開発合宿」の参加者向けに作成した手順書です。合宿中および合宿後の持ち帰り開発で実際に使ったものを、そのまま公開しています。

現場で使うことを前提に書いているため、講師に相談できること・締切があることを織り込んだ記述が含まれます。研修の実際をご覧いただくための公開です。

OVERVIEW

全体像 ── 5つの段階

コードは一行も書きません。書くのはClaude Codeです。あなたの仕事は、道具をつなぐことと、何を作るかを決めることの2つだけです。

STEP 1–2
準備
道具をそろえる
STEP 3
道を通す
空のページを先に公開する
STEP 4–5
設計する
構成 → 文章
STEP 6–8
作る
デザイン → 全ページ → 問い合わせ
STEP 9
育てる
ドメイン → 更新の習慣

この順番が肝心です。多くの人は「中身を作ってから公開する」と考えますが、逆にしてください。空っぽでいいので、先に公開までの道を通してしまう。そうすれば以降は「直したものが自動で公開される」状態で作業できます。順番を逆にすると、完成した最後の日に公開でつまずいて、誰にも見せられずに終わります。

1枚もののページで足りる場合。ランディングページだけ作りたいなら、STEP 4(サイトの地図)とSTEP 7(ページを増やす)は飛ばしてください。残りはそのまま使えます。

ENVIRONMENT

必要な環境 ── どこに何があるか

そろえるものは多くありません。ただ、どれが自分のパソコンの中にあって、どれがインターネットの向こう側にあるのかを最初に掴んでおくと、後で詰まったときに「どこを見ればいいか」が自分で分かるようになります。

インターネット あなたのパソコン 向こう側(クラウド) 作業フォルダ サイトの中身が入る場所 Claude Code あなたの代わりに書く Node.js 組み立てる Git 記録する ブラウザ デザインと表示の確認 Claude(AIの本体) 考えているのはここ GitHub 保管庫・履歴台帳 Vercel 公開係 閲覧者 スマホ・パソコンで見る人 Claude Design デザインを作る 指示と応答 git push 自動で公開される 独自ドメインで届く 人が手で運ぶ
矢印はすべて左右の境界をまたぎます。つまりどの作業にも、インターネット接続が要ります。金色の線が、あなたの手元から閲覧者までを結ぶ本線です。

この図から読み取ってほしいことが2つあります。

ひとつ目。Claude Codeはあなたのパソコンで動きますが、考えているのはクラウドのClaudeです。だから接続が切れると、ファイルは手元にあるのに何も進まなくなります。合宿や出先で「急に止まった」ときは、まず回線を疑ってください。

ふたつ目。金色の本線は、いったんつながれば自動で流れます。GitHubに送れば、あとはVercelが勝手に公開してくれる。人が毎回アップロードする作業は発生しません。逆に、Claude Designとのやりとりだけは自動化されていません。ここだけはあなたがコピーして運びます。手作業が残るのはここだけだ、と分かっていれば迷いません。

STEP 1

環境を整える目安30分

1-1Claude Code(デスクトップ版)を入れる

claude.com/claude-code からデスクトップ版をインストールし、ご自身のClaudeアカウントでログインします。これで、あなたの代わりにパソコンを操作してくれるAIが手に入ります。

プランは Max 5x を推奨します。無料枠やProプランでは、集中して作業すると1〜2時間で利用上限に達し、手が止まります。

1-2足りない道具がないか、Claude Code自身に確認させる

ウェブサイトを作るには、Claude Code本体のほかに Node.js(サイトを組み立てる道具)と Git(変更履歴を記録する道具)が要ります。すでに入っている場合もあるので、自分で調べずに 本人に確認させてください

そのまま貼ってください ウェブ開発の準備ができているか確認してください。Node.js と Git と npm が使えるか調べて、足りないものがあればインストール手順を、専門用語を使わずに1つずつ教えてください。私は開発が初めてです。

なぜ自分で調べないのか。パソコンの状態は人によって違います。「入っていないもの」を正確に言い当てられるのは、あなたのパソコンの中を見られるClaude Code本人だけです。調べる仕事こそ、最初に任せるべき仕事です。

1-3作業フォルダを1つ決める

デスクトップなどに、サービス名のフォルダを1つ作ってください。以降の作業はすべてこの中で起きます。Claude Codeを起動するときは、必ずこのフォルダを開いた状態にします。

ここだけ注意。フォルダ名は半角英数字にしてください(例:my-service)。日本語やスペースが入っていると、後の工程で原因の分かりにくいエラーが出ます。

STEP 2

保管庫と公開係を用意する目安20分

登録するサービスは2つです。役割が違います。

サービス役割たとえるなら
GitHub作ったものを保管し、変更の履歴を残す倉庫と台帳
Vercel保管されたものを、世界中から見えるURLで公開する公開係
2-1GitHubのアカウントを作る

github.com で無料アカウントを作ります。ユーザー名は後からURLに出ることがあるので、ふざけた名前にしないでください

2-2Vercelは「GitHubでサインアップ」を選ぶ

vercel.com で登録します。このとき、メールアドレスでの登録ではなく 「Continue with GitHub」を選んでください。

ここが分かれ道です。GitHubでサインアップしておくと、2つのサービスが最初からつながった状態になります。あとで「保管庫に入れたものが自動で公開される」仕組みが、設定なしで手に入る。別々に登録すると、この連携を手作業でやり直すことになります。

STEP 3 ── 最重要

空のページを、先に公開してしまう目安30分

中身はまだ作りません。「準備中」とだけ書いた1ページを、本当にインターネットに公開します。ここを最初に済ませるかどうかで、この先の難易度が変わります。

そのまま貼ってください このフォルダに、複数ページのウェブサイトの土台を作ってください。Astro と Tailwind CSS を使ってください。
いまはページを増やさず、トップページ1枚だけ、中身は「準備中」で構いません。ただしあとからページを追加していく前提の構成にしてください。
そのあと、GitHubに新しいリポジトリを作ってアップロードし、Vercelで公開できる状態にしてください。
私は開発が初めてなので、私が手を動かす必要がある場面(ブラウザでボタンを押す等)は、そのつど止まって、何をどこでクリックするか教えてください。

この工程が終わると、○○.vercel.app という形のURLが手に入ります。スマホで開いてみてください。自分のパソコンで作ったものが、世界中から見える状態になった瞬間です。

土台の指定について

Astro は複数ページのサイトを作るのに向いた道具で、Tailwind CSS は見た目を整えるための書き方の作法です。どちらもClaude Codeが自動で入れるので、あなたが登録したり支払ったりするものは何もありません。作業中に「Tailwindを入れます」と言われても、そのまま進めてください。

なぜ最初に指定するのか。STEP 6でClaude Designが作ったデザインをClaude Codeに戻す往復があります。このとき両側の書き方が揃っていないと、統合が「翻訳作業」になり、原因の分かりにくい崩れが出ます。Tailwindに揃えておけば、この事故が起きません。土台は後から替えるのが最も高くつくので、ここで決めます。

一度、達成感を取っておいてください。この先は地味な作業が続きます。「公開できた」という手触りを先に持っているかどうかで、続く時間の心理的な負担がまったく違います。

STEP 4

サイトの地図を作る複数ページのサイトなら、ここが分かれ道

ページを作り始める前に、どんなページが必要かを決めて、URLを確定させます。ここを飛ばすと、思いついた順にページが増え、あとで「このページ要らなかった」「URLを変えたらリンクが切れた」が必ず起きます。

ページを増やすかどうかの判断根拠

「あったほうがいい」で判断すると、ページは無限に増えます。基準はひとつだけにしてください。

そのページが無いと、訪問者が次の行動に進めないか。

無くても進めるページは、作らない。会社案内の定番だから、という理由で足さない。ページが増えるほど、あとで全部を最新に保つ手間が増えます。維持できない量のページは、無いほうがましです。

増えないページと、増えるページを分ける

ここが、1枚もののページとの決定的な違いです。サイトの中には性質の違う2種類のページが混ざっています。

全ページ共通:ヘッダー/ナビゲーション/フッター ── 1か所を直せば全ページ直る トップページ C→B→Aを言い切る サービス紹介 /service/ 選ばれる理由 /why-us/ 会社概要 /about/ お問い合わせ /contact/ お知らせ・コラム /news/○○/ 増えないページ 1ページ=1ファイル。作ったら基本そのまま 増えるページ 1記事=1ファイルで 足していける形にする
ページ名は例です。大事なのは「増えないページ」と「増えるページ」を最初に分けること。この区別を伝えておかないと、記事を1本足すたびに手作業が増える作りになります。
そのまま貼ってください これから作るサイトの構成を一緒に決めたいです。私に質問しながら、次を整理してください。
①必要なページの一覧(「そのページが無いと訪問者が次の行動に進めないか」で判断し、無くても進めるページは削ってください)
②各ページのURL(あとから変えない前提で決めます)
③そのうち「増えないページ」と「お知らせ・コラムのように増えていくページ」の切り分け
決まったら、増えるページは記事を1ファイル足すだけで増やせる構成にしてください。
URLは、あとから変えないでください。名刺やSNSに載せた後にURLを変えると、そのリンクは切れます。検索結果からの評価も一度リセットされます。迷ったら短く、英数字で。日本語のURLは避けてください。

STEP 5

デザインより先に、文章を決める

ここが、多くの人が順番を間違えるところです。見た目から入らないでください。

体験の設計には、戦略 → 要件 → 構造 → 骨格 → 表層という5つの層があります。デザインは最後の「表層」です。中身が決まらないまま器から作ると、仮の文章に合わせた器ができあがり、本当の文章を入れた瞬間に崩れます。作り直しになる。

まずトップページだけを、完成させる

全ページ分の文章を一度に書こうとしないでください。トップページが決まれば、下層ページは「トップで言い切れなかった詳細」として自然に決まります。逆に、トップが曖昧なまま下層を書くと、全ページを書き直すことになります。

トップページに書くべきことは3つだけです。

壁打ちに使ってください これから作るサービスについて、私に質問しながら次の3つを一緒に言語化してください。
①誰のためのものか ②その人は何が得られるのか ③なぜ他ではなく私から受けるのか
一度に全部聞かず、1問ずつ聞いてください。私の答えが曖昧なときは、そのまま受け取らずに掘り下げてください。
3つが固まったら、トップページに載せる文章としてまとめてください。

下層ページには、行き先を1つ決める

各ページについて、「読んだ人に、次に何をしてほしいか」を1つだけ決めてください。問い合わせなのか、資料請求なのか、別のページを読んでもらうのか。

これが決まらないページは、そもそも無くていいページです。STEP 4の判断基準がここでもう一度効いてきます。

ここでAIに書かせきらないこと。一般論で埋めたきれいな文章は、誰の心にも残りません。あなたの実体験と、あなたが感じている違和感からしか、選ばれる理由は出てきません。AIの役割は書くことではなく、あなたから引き出すことです。

STEP 6

デザインを作る ── 全ページ分は作らない

文章が固まってから、ようやく見た目に入ります。ここで大事なのは、ページの数だけデザインを作らないことです。

作るのは2種類だけ。トップページ用と、下層ページ用。下層ページはこの1つの型を全ページで使い回します。ページごとに違うデザインを作ると、直すたびに全ページを直すことになり、更新が止まります。

6-1Claude Codeに、デザインの依頼文を書かせる

自分でデザインの指示を考える必要はありません。ここまでの内容を知っているClaude Codeに、依頼文そのものを書かせます。

そのまま貼ってください ここまでの内容をもとに、Claude Design に渡すデザイン依頼文を書いてください。次の5点を必ず含めてください。
①画面の構成(どのブロックが上から順に並ぶか)②載せる文章の実物 ③想定している読み手 ④伝えたい印象・トーン ⑤Tailwind CSS で書くこと
「トップページ用」と「下層ページ用(全ページで使い回す型)」の2つ分を書いてください。全ページ共通のヘッダー・ナビゲーション・フッターも指定に含めてください。
よくあるAI風の見た目(紫から青のグラデーション、絵文字の見出し、意味のない角丸の多用)は避けたい、と明記してください。
6-2Claude Designで生成し、2〜3案から選ぶ

出てきた依頼文を Claude Design に渡して、デザインを作らせます。必ず複数案を出して見比べてください。1案だけだと、良し悪しを判断する基準が自分の中にできません。

6-3選んだデザインをClaude Codeに戻して、実物に組み込む

選んだ案をClaude Codeに渡し、STEP 3で公開したサイトに反映してもらいます。ここで初めて、器と中身が合流します。

このときヘッダー・ナビゲーション・フッターは、必ず「共通部品」として1か所にまとめてもらってください。各ページにコピーされていると、メニューを1つ足すだけで全ページを直すことになります。

STEP 7

ページを増やす

型ができたので、あとは流し込むだけです。ただし最初の1ページは、自分で流れを見届けてください。2ページ目以降は同じことの繰り返しになります。

7-1下層ページを1枚、最後まで作る

STEP 4で決めたページのうち1つを選び、下層の型に文章を入れて公開まで通します。ナビゲーションに載せるところまでやってください。ここまでが「1ページ増やす」の全工程です。

7-2残りのページを埋める

同じ手順を繰り返します。ここはClaude Codeにまとめて任せて構いません。ただし文章はSTEP 5で決めたものを使い、AIに新しく書かせないでください。

7-3お知らせを1本、自分で追加してみる

増えるページの追加を、実際に1回やっておきます。ここで「記事を1本足すのに何をすればいいか」が分かっていないと、公開後に更新が止まります。サイトが死ぬ原因の大半はこれです。

そのまま貼ってください お知らせを1本追加したいです。私が次から自分でできるように、手順を最小限にしたうえで、そのやり方を教えてください。
ファイルをどこに、どんな名前で作り、何を書けば公開されるのか。一度だけ一緒にやってみせてください。
7-4見つからないページ用の表示を用意する

URLを打ち間違えた人に出る画面(404ページ)を作っておきます。放っておくと素っ気ない英語の画面が出ます。トップに戻る導線を1本置くだけで十分です。

STEP 8

問い合わせを受け取れるようにする

複数ページのサイトなら、問い合わせフォームはほぼ必須です。そしてここが、初めての人が最も高い確率で事故を起こす場所です。

「送信できました」と出ても、メールは届いていないことがあります。独自ドメインを差出人にしたメールは、DNSの認証設定が正しくないと、送信側は成功しているのに相手に届きません。当協会のサイトでも、この設定が原因で問い合わせメールが届かない事故が実際に起きました。必ずResendというサービスのAPI経由で送る構成にしてください。

そのまま貼ってください お問い合わせフォームを作ってください。送信されたら、問い合わせた本人あての受付メールと、私あての通知メールの2通が届くようにしてください。
メールの送信には必ず Resend の API を使ってください(PHPの標準関数やSMTP直接送信は使わないでください)。
入力欄などの部品が必要なら shadcn/ui を使って構いません。
作り終えたら、実際に私が自分のアドレスで送信テストをして、受信トレイに届くか(迷惑メールに入らないか)を確認する手順まで案内してください。

shadcn/ui について。入力欄・確認ダイアログといった「よくできた部品の詰め合わせ」です。1枚もののページには過剰ですが、フォームを作る段階からは入れる価値があります。これもClaude Codeが自動で入れるので、あなたが登録や支払いをするものではありません。

STEP 9

独自ドメインをつないで、育てる

ドメインの取得先は、種類で決まる

○○.vercel.app のままでも動きますが、事業として見せるなら独自ドメインを取ります。

取りたいもの取得先理由
.jp国内のレジストラ
(お名前.com・ムームードメイン・Xserverドメイン等)
.jp は日本国内に住所がある人しか登録できず、海外のサービスでは扱っていない
.ai / .com などVercelで直接買うのが早い公開・DNS・メール設定がすべて同じ画面で完結し、ネームサーバーの切替と反映待ちが発生しない
時間の読み方。取得先を別にした場合、設定が世界中に行き渡るまで数時間かかることがあります。「見せる日」が決まっているなら、ドメインは前日までに取ってください。当日に取ると間に合いません。

co.jp は選ばないでください。法人の登記確認が入るため、その日のうちには使えません。個人・法人どちらでも取れる汎用の ○○.jp にします。

ここからが本番 ── 更新のループ

公開は終わりではなく、始まりです。以降はこの3つの繰り返しになります。

1
直したいと言う
Claude Codeに日本語で伝える
2
保管庫に送る
「GitHubに上げて」と頼む
3
自動で公開される
Vercelが勝手に反映する

この一巡を体で覚えることが、実質的なゴールです。ここまで来れば、あとは何を直すかを決めるだけになります。技術の問題は終わり、事業の問題だけが残る。その状態を作るのが、この手順書の目的です。

詰まったときの原則

GLOSSARY

最低限の用語

言葉意味
リポジトリGitHub上の、1つのサイト専用の保管場所
コミット変更に名前をつけて履歴に記録すること。作業のセーブポイント
プッシュ手元の変更をGitHub(保管庫)へ送ること
デプロイ作ったものを、誰でも見られるURL付きの状態にすること
共通部品ヘッダーやフッターなど、全ページで同じものを1か所で管理する仕組み
Astro複数ページのサイトを組み立てる道具。自動で入る
Tailwind CSS見た目を整えるための書き方の作法。自動で入る
shadcn/ui入力欄やダイアログなど、よくできた部品の詰め合わせ。フォームを作る段階で使う
DNSドメイン(サイトの住所)を、実際の置き場所に結びつける設定
環境変数パスワードやAPIキーを、コードに直接書かずに安全に持たせる仕組み

FOR YOUR CLAUDE CODE

この手順書を、Claude Code自身に持たせる

読んで進めるより、Claude Codeにこの手順を持たせて、案内役をやってもらうほうが速いです。下のファイルを渡せば、Claude Codeが順番を管理し、あなたが手を動かす場面で止まって指示を出してくれます。

配布ファイル:website-setup.md

作業フォルダに置いて、Claude Codeに 「website-setup.md を読んで、STEP 1から案内してください」 と伝えるだけです。

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